第1弾:白鵬に勝つための土俵づくりとは?
条件が悪いどうしよう?
中小企業が人材採用をはじめようってとき、よくぶつかるのがこの現実。
- 年間休日100日しかない……
- 福利厚生なんて聞いたこともない……
- オフィスが築40年でボロい……
とにかく「他社に比べて条件がめちゃくちゃ劣っている」という状態、めちゃくちゃよくあります。うん、むしろそれが普通です。
じゃあ、そんな会社は人材獲得競争で勝負できないのか?
答えは、No。
なぜなら、うちの会社は設立から10年以上、まさにそんな中小企業を相手にして、条件では劣っていても、「なんかこの会社いいかも」と思わせて採用成功につなげてきたからです。
ということで、そんな中小企業に向けてお届けする、ちょっと笑える、そしてなぜか納得できる、採用広報のノウハウシリーズ。第1回のテーマは、
「勝てる土俵のつくり方」
です。
勝てる土俵を自分で創りあげる
相撲で言うなら横綱のような大企業に、素人同然の中小企業が採用で勝つために、最も大切なのは「勝てる土俵」を自分で創りあげることなんです!
どういうことか。例え話をしましょう。
たとえば、自動車製造業の新卒採用市場を、相撲の世界に例えるとします。トヨタ自動車は言わずと知れた大横綱・白鵬。給与、福利厚生、ブランド力、安定性、どれをとっても文句なし。そりゃ学生からも人気です。
でも、あなたの会社は……というと、小兵で入門して日も浅い、名前も覚えてもらえてない力士。そんな新人が、まっとうな土俵で白鵬に勝てるわけがない。勝負にならない。
じゃあどうするか。
土俵をローションまみれにするんです。
あるいは、東京タワーの避雷針の先っちょに土俵をつくってそこで戦う。
通常の土俵で戦ったら勝てる可能性はゼロ。でも自分の土俵で戦うことで、あの白鵬ですら、足を滑らせて負けてしまうかもしれないのです。
これは採用広報でも同じです。
「条件」で勝てない会社こそ、他社が勝負しない土俵をつくって戦う。
それが勝つための、唯一にして最強の戦略だと考えています。
土俵の見つけ方 〜「自社の良さ」は、キズやクセの中にある!?〜
じゃあその土俵って、どうやって見つけるの?って話。
まず、「自社のいいところを探す」ことから始めましょう。でもここで勘違いしてほしくないのは、「世間的に評価される“いいところ”」を探さなくていい、ということ。条件面のことなんてこの時点ではどうでもいいです。
むしろ、「これはちょっと変かもしれない」「普通じゃないかも」っていうクセ・キズ・歪みのほうに目を凝らしてください。
たとえばこんなやつ。
- 社長の想いが強すぎて、事業を語り始めると話がやたら長い。
- 飲み会の次の日は必ず遅刻する社員がいるんだけど叱られない。
- 仕事さぼって競艇いくような社員が勤続20年でずっと働けている。
……ね? なんか忘れられないでしょう?
そういう「一般的な魅力」とはズレてるけど、“変な引っかかり”がある話。それこそが、他社が勝負しない=白鵬が苦手な土俵の材料になるんです。土俵の見つけ方 〜「自社の良さ」は、キズやクセの中にある!?〜
じゃあその土俵って、どうやって見つけるの?って話。
まず「自社のいいところを探す」ことから始めましょう。でもここで勘違いしてほしくないのは、「世間的に評価される“いいところ”」を探さなくていい、ということ。条件面のことなんてこの時点ではどうでもいいです。
むしろ「これはちょっと変かもしれない」「普通じゃないかも」っていうクセ・キズ・歪みのほうに目を凝らしてください。
たとえばこんなやつ。
- 社長の想いが強すぎて、事業を語り始めると話がやたら長い。
- 飲み会の次の日は必ず遅刻する社員がいるんだけど叱られない。
- 仕事さぼって競艇いくような社員が勤続20年でずっと働けている。
……ね? なんか忘れられないでしょう?
そういう「一般的な魅力」とはズレてるけど、“変な引っかかり”がある話。それこそが、他社が勝負しない=白鵬を倒せる土俵の材料になるんです。
クセやズレのその先を追いかけてみると、ネタになる
ここからが本題。
そのクセやズレ、もう一歩深掘ってみましょう。
ただ「変な会社です」って言っても、それだけだと“変な会社”で終わってしまう。
大事なのは、そのズレの背景にある価値観や想いを見つけて、ちゃんと“意味”として語ることです。
例1:「社長の想いが強すぎて、事業を語り始めると話がやたら長い」
この時点ではただの“めんどくさい社長”です。
でも、その話に耳をすませてみると、
「仕事ってのは人を幸せにする手段なんだ」「うちの事業でこんな社会貢献がしたいんだ」「社員たちにはこうなって欲しい」みたいな哲学が混ざっていたりする。
だったら、求人広告にその熱い想いを伝えるだけ。文章のなかでも、「想いが空回りしがちだけど、本気で誰かを幸せにしたいと考えてる社長です」と開き直って書く。
それだけで、“めんどくさい”が“人間くさい”に変わります。
例2:「飲み会の次の日は必ず遅刻する社員がいるんだけど叱られない」
これだけ聞くと、社内ゆるすぎ問題に見えます。
でも、「なぜ叱られないのか?」を社長に聞いてみたら、「その人、普段は誰よりも早く来て事務所の掃除してくれてるんだよね」みたいな話が出てくるかもしれない。
あるいは、「いいんだよ、人間はロボットじゃないんだから、完璧な人なんていない。むしろそういう人間性を大切にして欲しいんだ」なんて哲学があるかもしれない。ユルさの奥にある思想をちゃんと伝えると、共感される土俵に早変わりします。
例3:「仕事さぼって競艇いくような社員が勤続20年目」
これ、すごいですよね。
会社によっては即クビ案件。でも、その人は勤続20年。つまり、それでも居場所があるということ。
ここで「うちの会社はゆるいです」と言ってしまうとただの自爆。
大事なのは、「なぜその人が許されてるのか?」を追いかけること。
たとえば、
- 「競艇以外では超真面目に働く」
- 「こういうスキはあるけど凄いいい奴」
などの背景があるかもしれない。
実際に昔、こんな求人広告がありました。「●●君、どこにいってもうたんや?」のキャッチコピーにこんな感じの文章→原君はすぐにサボるし、会社に来ない日もあるんだけど、実はすごい能力をもっていて、●●の作業をやらせたらピカイチ。本当に困っているときに助けてくれたり、自分を犠牲にしてでも率先してやってくれることがあるから、暇なときにサボるなんて全然OK。彼の良い所を評価して一緒に頑張っていきたい。みたいな文章でした。
こんな風にストーリを描いていくと、「めちゃめちゃいい会社じゃん……」という気持ちになってきますよね。
「変な話」は“伝え方”で宝になる
クセやズレの奥にある価値観が見つかったら、
それを“どう伝えるか”が次の勝負どころです。
ここでやってしまいがちなのが、「ちゃんと伝えなきゃ」と思って急にカッコつけること。
- 「私たちは信頼関係を大切にしています」
- 「人を一人の人間として尊重しています」
うん、たしかにいいこと言ってるけど、何も心に入ってこない。
そして何より、よくある言葉すぎて誰の心にも残らない。
だったらやっぱり“クセのまま伝える”ほうが強いんです。
これがなかし流の採用広報術。勝てる土俵づくりの正体です。
まとめ:勝てる土俵づくりのネタは社内にある!
条件が整ってない?
福利厚生が微妙?
社長が暑苦しい?
社員がゆるすぎる?
…いいじゃないですか。
そこから目をそらさず、開き直って、“言葉にする”。
それだけで、同じ状況が「弱み」から「らしさ」に変わります。
そして、その“らしさ”にグッとくる人が、きっとどこかにいます。
ちゃんと自社のコトバでちゃんと魅力的に伝えよう!
