第1回:それってホントに「採用広報」ですか?

設計/戦略

こんにちは。
“年間500本×20年=1万本”の採用広告をつくってきた、なかしです。

今日から始まるこのブログ『中小企業が採用する前に読むやつ』。

記念すべき第1回のテーマは――

求人広告と採用広報の違い、ちゃんとわかってますか?

「求人広告」と「採用広報」は別モノです

「え、どっちも“人を採る”話でしょ?」と思ったあなた。

惜しいっ!それ、半分正解で、半分ズレてます。

このふたつ、実は目的もターゲットも、まるで別物。
でも、採用がうまくいっていない会社ほど、この2つをごちゃまぜにしがち。

知らないまま求人を出しつづけると…
「うーん、なんか毎回ピンとこない人しか来ないな」っていう、あのループに入ります。

応募数を求めると質が悪くなる、質を求めると応募数がなくなる、それが採用広告の負のループ…。

求人広告は「条件勝負」──チラシ型の即効アプローチ

まず「求人広告」って、超シンプルに言うと…

条件と時給で勝負する、スーパーの特売チラシみたいなものです。

好条件の求人には色んな人たちが群がります。でも条件が悪いと誰も来ない。

ターゲットは、「いますぐ働きたい!」「転職サイトを毎日チェックしてる!」って人たち。いわゆる「顕在層」ってやつです。

だから、書くことは明確。

  • 勤務地
  • 給与
  • 勤務時間
  • 休日
  • 必要資格

…などなど。とにかく情報が命。

「今日の夕飯、なににしよっかな〜」って主婦に「豚バラ98円!」って叫ぶチラシと、ちょっと似てます。

もちろん、マイナビ、リクナビ、DODAでビシッと作れば想いやビジョンも伝えられるけど、中小企業にとってはコストも高め。どちらかというと時間勝負の世界です。

採用広報は「共感勝負」──ラブレター型のじっくりアプローチ

一方、「採用広報」って何かというと――

条件より“想い”で選んでもらう、未来の仲間に向けたラブレターです。

こちらのターゲットは、「今すぐ転職!」ではないけど、
「いつか、どこかで、いい会社があれば…」と思ってる人たち。

もしくは、「この会社、ちょっと面白そうだな〜」と
SNSでこっそり見てる“未来のファン”。

好きな人をたくさんつくって、ラブレターを送ることで、心に刺さる。

そんな人たちに届けるのが、採用広報。

だから、伝えるのは“条件”じゃなくて“気持ち”。

  • なんでこの会社やってるの?
  • どんな人が働いてるの?
  • どんな想いをもってるの?
  • どこに向かってるの?

そういう会社の“人格”や“ストーリー”を、言葉や動画でじっくり伝えていく。
それが、採用広報の役割です。

中小企業こそ、“ラブレター戦略”でいこう

大企業は、放っておいても人が来ます。
なんせ、知名度・ブランド・福利厚生の三種の神器がありますから。

でも中小企業やベンチャーには、それがない。

じゃあどうするか?

答えはひとつ。

「うちにしかないストーリー」と「会社や事業の魅力」で勝負する。

たとえば、こんな“伝え方”ができます:

  • 社長や社員の熱い想い
  • 事業の社会貢献性(地域課題を解決してる、小さいけど独自の技術を持ってる等)
  • 小さいながらもニッチNo.1な強み(例:全国に3社しかない特定技術の保有)
  • 顧客との感動エピソードや「ありがとう」が生まれる仕事の手触り
  • 社内で育ってきた独自の文化や制度(〇〇研修、△△表彰、□□会議など)

そんなリアルを、丁寧に発信していくことで、
「この会社、いいかも」って“共感でつながる”採用ができるようになります。

この会社で働きたい、この社長と働きたい、この社員と働きたい。そう思ってもらえるようになることが採用ブランディングのゴールです。

比べてみよう!求人広告 vs 採用広報

ここまで読んでも「結局どう違うの?」という人のために、
ざっくり比較表でまとめてみました。

求人広告採用広報
ターゲット今すぐ働きたい人いつか働くかもしれない人
目的なるはや採用長期的な関係づくり
内容条件・給与・勤務地想い・人柄・未来
例えるならスーパーの特売チラシ想いを綴ったラブレター

【まとめ】まずは「誰に届けたいか?」を決めよう

求人広告と採用広報。
どっちが良くてどっちがダメ、って話じゃありません。

大事なのは「使い分け」と「目的の理解」。

  • 今すぐ人が欲しい → 求人広告
  • 会社の魅力を未来の仲間に届けたい → 採用広報

この違いを知っておくだけで、採用のやり方がぜんぜん変わります。

なかしの経験上、求人広告は頑張っているけど、採用広報に取り組んでいる中小企業はそんなに多くありません。でも採用広報に力を入れることで、もっと良い人材が採用できるように確実になります。ぜひ皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか?

次回予告:中小企業の採用広報ブランディングとは?

「うちの会社の魅力って何だろう?」って、考えたことありますか?

よく聞くのが
「アットホームな社風」
「働きやすい会社」
「成長できる環境」

……それ、9割の会社が言ってます。

そしてこのまま「なんかそれっぽいこと」だけ発信しつづけると、
“誰にも刺さらない採用広報”という名のループに、もれなく入ります。

というわけで、次回のテーマは「で、結局なにを発信すればいいの?」問題

・魅力”ってどこにある?
・らしさ”ってどう見つける?
・会社の中身”って、どう伝えるのが正解?

中小企業だからこそ伝えるべきこと、
言葉にするためのヒント、全部まとめてお届けします。

「会社のこと、ちゃんと伝えられるようになりたい」って人、
次回も、ぜひお読みください。

じゃあ、またね!

タイトルとURLをコピーしました