また出た「スマホで読むから短くしましょう。」
打ち合わせでこの言葉を聞くたびに、
「ああ、また出たか」と思う。
「求人広告はスマホで読む時代だから、短文でまとめましょう。」
それは半分ホントで、半分ウソ。
短くしないと読まれない。でもその考え方の奥には、
「どうせ読まれないだろう」という諦めがある。
文章を短くしましょうという提案は、
読ませるためじゃなくて逃げるため。
短文で採れるのは、条件がいい会社だけ。
短文で応募が来る会社は、だいたい勝っている。
給料が高い。休みが多い。名前が知られている。
広告費も潤沢で、求人が常に上位表示。
そんな会社は、正直なところ、文章なんて関係ない。
社名を書くだけで、安心感がある。
でも、中小企業はそうはいかない。
給料では勝てない。休みでは勝てない。
だからこそ文章で勝負するしかない。
会社の熱とか、空気とか、
そういうものを言葉で伝えるしかないのに、
その言葉を削ってどうする。
「短く」が正義になったのは、作り手の言い訳。
なぜ最近の求人広告代理店は短文を推すのか。
理由はシンプル。楽だからだ。
短くすれば早く作れる。
箇条書きのほうが誰でもつくれる。
修正が少ない。効率もいい。
そして、もし反応が悪くても、こう言える。
「条件が悪いからですね。」
そう、短文は言い訳として優秀なのだ。
でもそれは、伝える努力をやめた人の正義。
スマホのせいじゃない。文章がつまらないだけ。
「スマホでは長文が読まれない」とよく聞く。
でも、それは嘘だ。
人はスマホで漫画を読むし、
興味のあるNOTEは何行でも読む。
読まれないのは、長いからじゃない。
読んでまで知りたいことがないからだ。
スマホは敵じゃない。
つまらない文章こそが、最大の敵。
中小企業は読ませる採用をしなければ勝てない。
条件で戦えないなら、物語で勝つしかない。
効率で戦えないなら、共感で勝つしかない。
中小企業の採用は、
「読ませる力」そのもので結果が変わる。
だから、短く整えるより、
ちゃんと語ったほうがいい。
「ここで働くと、人生が面白くなりそうだ」
そんな匂いがしなきゃ、誰も振り向かない。
「短文で伝える」は正解。「短文に逃げる」は罠。
短文が悪いわけじゃない。
短くて面白い文章は、ちゃんと存在する。
けど読まれない短文ほど罪なものはない。
短文に逃げるのは制作力がないからです。
スマホの時代になっても、
人は共感する文章なら読んでくれる。
読まれる文章に、長さは関係ない。
情報を削るより、思いを込めたほうがいい。
共感される求人広告こそが、
いまの採用市場で本当に届くラブレターだと思う。

