第7回:3日坊主で終わらない採用広報のやり方

設計/戦略

「採用広報って、始めてみたはいいけど、続かない…」
この声、ほんっっとうによく聞きます。

「とりあえずXで発信してみようと思って…」
「note書いてみたけど、続かなかった」
これは本当にあるあるです。
採用広報って“始めやすい”んだけど“続けにくい”です。

なぜなら、明確な目標がない。成果がスグには見えない。
成果が見えないから、他の業務に比べての優先順位が下がる。結果、やる気がなくなる。
やる気がなくなると、更新止まる。もう負の連鎖です。

でも大丈夫。みんなが3日坊主になるのは「才能のせい」ではなく「設計のせい」なのだから。

というわけで今回は、採用広報を“3日坊主”にしないために必要な「目標設計」について書いていきます。実はこのコンテンツは自分自身に向けて書いているものだったりします。


目的と目標の違い、知ってますか?

まず超基本から。「目的」と「目標」は違います。

  • 目的=最終ゴール
  • 目標=そこに至るまでの通過点

たとえば、
「年商1000万円」が目的だとしたら、
「飛び込み営業1日10件」は目標です。

この構造を採用広報にそのまま当てはめましょう。

  • 目的(KGI):採用がうまくいく状態。例:「採用人数を2倍にさせる」
  • 目標(KPI):そのために必要な行動。例:「Xで月8本採用広報をする」

ここで出てきたKGIとKPIについて、もう少し丁寧に解説します。


KPIとKGIってなんですか?って人のために

KGI(Key Goal Indicator)

→ KGIとは最終的に達成したい成果の指標(目的)です。

例:

  • 「社名検索数を100件→200件に増やす」
  • 「内定承諾率を前年比+30%」
  • 「定着率を2年以内→3年以内に改善」

KPI(Key Performance Indicator)

→ そのKGIを達成するための行動指標(目標)です。

例:

  • 「月にXで8本投稿する」
  • 「大学の就職課に月10校出向く」
  • 「求人広告を年4回出稿する」

KGIは「成果」そのもの。
KPIは「それに向けてのプロセス」。
この2つをセットで設計することで、はじめて“続く広報”になります。


「なりたい姿」と「現在地の自分」のギャップを見つけよう

設計に入る前に、やるべきは「目的の明確化」。
これは「ToBe(なりたい姿)」と「AsIs(現在地)」を並べてみることで見えてきます。

たとえば:

  • ToBe:社員が幸せに働ける会社になりたい
  • AsIs:優秀な社員がどんどん辞めていってる

このギャップこそが「課題」です。
で、採用広報っていうのは、課題を“発信の力”で解決していく取り組みなんです。


目標(KPI)は「ちょっと背伸び」がちょうどいい

目標設定あるあるです。

  • 高すぎるとやる気がなくなる
  • 低すぎても成果は出ない
  • ちょうどいい「背伸び」感がベスト

「今週はとにかくXを更新しまくるぞ!」と息巻いて毎日5本投稿した結果、翌週に燃え尽きてゼロ…なんてこと、ありますよね。

そうならないように、「月に何本」とか「週に1回」とか、“地に足のついた目標”を立てましょう。大切なのは「やって終わり」じゃなく、「継続して成果につなげる」ことです。

どのフェーズかを見極めることで、ムダ打ちのない戦略が立てられます。


採用広報における合理的なKGI&KPI設定とは?

採用広報って文字通り、採用のための広報。これをマーケター界隈で使われる「ファネル構造」を使って分解してみました。

  1. 認知(会社を知る)
  2. 興味(ちょっと気になる)
  3. 理解(何してるか、わかる)
  4. 比較検討(他と比べる)
  5. 応募
  6. 選考
  7. 内定承諾
  8. 入社
  9. 定着・活躍

自社の採用において、この流れのなかで、どこがボトルネックになっているか?まずはそれを分析して、そこに広報の力を集中投下する。そこにKGIやKPIを立てていくのが効果の出しやすい採用広報だとなかしは考えています。


例えば、認知されていない中小企業のKGI/KPI例

📌 X運用

  • KGI:フォロワー数1万人、月の社名検索数50件
  • KPI:月8本の投稿、月10件のリプライ/引用リツイート

📌 求人広告出稿

  • KGI:月1件の求人広告出稿
  • KPI:月10件のダイレクトリクルーティングを実施

📌 採用LP(ランディングページ)

  • KGI:直帰率50% → 30%に改善
  • KPI:月1回の採用ホームページリライト、現場社員のインタビュー追加

まとめ:目標があれば、採用広報は続く

第7回目のブログはいかがでしたでしょうか?ちょっと難しいかったでしょうか?ということで今回のお話をまとめてみました。

・目的と目標を分けて考える
・会社の課題を知って、広報の役割を定義する
・フェーズに合ったKPIを設計する
・X、採用ホームページ、求人広告メディアなどの役割を整理する
・KGIとKPI、両輪で回していく

採用広報の継続に大切なのでちゃんと数字でタスクをつくること。数字があれば3日坊主にはなりません。続ければ続けるほど“資産”になるのが、採用広報という活動なので、コツコツ積み上げていくしかありません。継続していけば、1年、3年、5年後には必ず、成果となって還元されるはす!それを信じて頑張っていきましょう!

いったん、これまで7回続けてきたこのシリーズは終了します!今後も、中小企業のための採用広報情報を発信し続けていきますので、ぜひ皆さま、お楽しみに!過去のシリーズもぜひ読んでみてください!

第1回:それってホントに「採用広報」ですか?
「求人広告と採用広報って何が違うの?」そんなモヤモヤを解決!“人が来ない”中小企業が、共感で選ばれるための考え方とやるべきことをやさしく解説します。

第2回:中小企業の採用広報ブランディングとは?
「うちの会社に魅力なんてないですよ…」と思ったら読んでほしい。中小企業が採用で選ばれるために必要なのは、制度や条件より“らしさ”。採用広報を“ストック型の投資”として考える視点と、その始め方を解説します。

第3回:「らしさ」を言語化するって、どうやる?
「等身大の魅力ってどう伝えるの?」と悩む中小企業向けに、“カルチャー×事業”で「らしさ」を言語化する方法を解説。3C分析や発信のヒントも紹介。

第4回:採用広報の発信チャネル設計とは?
採用広報のはじまりは、「どこで発信するか」を考えることから。SNSの選び方、ホームページ整備の重要性、そしてPESOモデルの活用法をわかりやすく解説します。

第5回:語れる社員がいない?いや、まだ“見つけてない”だけ。
「語れる社員がいない」と悩む企業へ。実は、まだ“見つけていない”だけかもしれません。語り手の選び方、ストーリーの組み立て方まで徹底解説。リアルな声が共感を生む採用広報のつくり方とは?

第6回:採用広報って、いくらかけるのが正解?
人材紹介は「スーパーで野菜を買う」方法。でも採用広報は、「家庭菜園」。noteやSNS、ブログなどを積み重ねれば、じわじわ効く採用力という“資産”になる。採用をコストで終わらせないために、今こそ始めたい“未来の畑”の話。
またね!
タイトルとURLをコピーしました